平凡な日々

 
 でもそれが一番幸せ。
 

ホスピス

先日の雨で、なんとも秋らしくなったバンクーバーです。


ここのところ朝夕と毎日お義母さんに会いにホスピスに通っています。





私はホスピスのことはよく分かりません。
日本でもカナダでも今回ホスピスいう場に立ち入るのは初めてです。



バンクーバーで何軒かありますが、そのうちご近所のホスピスに入ることができました。




大きな家という感じ。






大きな公園の一角にあって、目の前にはビーチ。
隣の公園では子供たちの笑い声が聞こえ、お隣は園児が通うデイケアがありました。



部屋は10室個室のみ。
一体何床が埋まっているのかはわかりません。



本当は患者を連れてうろうろと施設の中を動き回ったり、好きなことができるのですが、コロナの関係上、外部からの面会者はその部屋から出ることができません。一部の共用場所は蜜を避けるため閉鎖されているようです。


一回の訪問につき2人まで、24時間いつでもどれだけ滞在するのも可能ですが、入る前はドアベルを鳴らし開けてもらって体温検査のあとに入室が許可されます。


それぞれ個室の中にベッド、ソファー、電話、テレビ、トイレと洗面台がついています。


毎日廊下のボードには勤務者の名前とボランティア、専属のわんこの名前もあり、アットホームな感じがしました。






正看護師、准看護師、介護士、コックさんが一人ずつで3シフトに分けられてる。プラス日中はボランティアの方とわんこ。


救命などがないからその数で十分なんやろうね。




そして毎日顔ぶれは今のところ一緒。一体どれだけの職員で回してるんやろう?


部屋はいつも清潔に保たれていて、お義母さんも清潔は十分になされている感じです。窓の外にはすぐに公園やきれいに整備されたお庭が見れますが、残念ながら彼女にはそれを楽しめることも今はできません。






ある日誰かがピアノを弾いているようで、きれいな穏やかな音色が聞こえてきました。



ここではお義母さんにしてあげれるのは、痛みや身体のだるさをとってあげれることだけの緩和医療です。


最初ここに入る前に、在宅かホスピスか、緩和ケア病棟にいくか、などの選択がありました。 緩和ケア病棟は主に治療や療養をして、在宅へ戻るという方針の状態の方がはいれ、死期を待つ患者にはホスピスか、在宅という選択しかないように説明を受けました。
そしてホスピスでは積極的な治療が行われないので、輸血や輸液、大出血した時の止血薬の投薬もないと聞きました。



それで、ホスピスにいくのをためらったのもあるのですが、入院してからしばらくは経口で薬が飲めていたので、そのままホスピスでも止血用の内服薬の継続は行われていました。



ナースやドクターなどのいう事がいまいち違ったり、素人には伝わりにくい話の説明だったのか(やりとりは全て旦那がしていた)、少し混乱させられたのも事実。それで揉めたのもあったのやし笑笑。


とはいえ、できるとこまで在宅で過ごし、入院後はそこからのレベルダウンがかなり急速だったので、結果的にはいい時まで家で過ごせ、その後いい時にホスピスに入れたのではないかと。



うちらが訪問すれば、必ず看護師がやってきてどんな状態であるかを説明してくれ、質問などに答えてくれますが、それ以外は特に何もなく、穏やかな時間が流れていってます。


病院で末期患者につけられる心電図モニターも何もありませんし、そんな音が響くこともありません。


時間が来ればバイタルチェックをして、その状態から判断して患者の家族を呼びよせる感じです。


知りませんでした。
すべて自然の流れに任すような感じです。ただただ、患者が楽なように時を過ごせるように。これといった堅苦しいものは全くなく。病院にある機器は一切なく、皮下注射でのコントロールのみです。


精神的なサポートがいるのであれば、セラピー専門の方と話ができるようなサポートもあるようです。



興味深いことに、最初に訪問した時、夜中に急変が起きた場合に電話連絡をいれるかどうか、ということの確認のサインがあった。


夜中は嫌だっていう人もあるんやね。


お値段は一日$40ほど。
お金に余裕がなければ、政府の判断で金銭面のサポートも出るようです。



家に帰れなくて寂しいか、と答えを聞くこともできなくなったけど、痛みと体のつらさがないのであれば、それでいいかなと思う日です。