平凡な日々

 
 でもそれが一番幸せ。
 

何故かふと思い出す人

バンクーバーは今日も快晴。
蒸し暑くてたまりません。





今日も朝からいつものことをすまして、ふとほっとしたときに、たまに思い出す人がいて、その人のことを思ってました。





普段は思い出さないのに、ふと何かの時に思い出す。






同じ病棟で働いていた、私なんかより全然レベルの違う先生やったんですけどね。



5年間そこで働いてたからもちろん受け持ち患者も同じだったし、話もするけど、やっぱりだいぶん上の先生やったので、同期の先生たちと比べたらまったく関わり方は違ってた。



そこをやめてカナダに来た夏ごろに、一通の手紙が届いたのがその先生からやってびっくりしたのを覚えてる。 そして返事をかえしたら、忘れもしないクリスマスイブに贈り物が届いた。




花火。



カナダは花火はカナダデイやハロウィーンなどの時だけしか売っていないし、できないと書いたら、彼が送ってきた。





その年は、当時ないドカ雪のクリスマスイブで、アパートの下の広場で膝までの雪のなか、友人たちと花火をしたのを昨日のように思い出せる。






それから先生との文通がはじまった。


一年半の留学を終えて帰ってからもそれは続いて、先生も大学病院を辞めて実家の医院を継いだのやけど、それが私の住んでる街の川を挟んだ対岸の街。





よく、手紙の最後に「向こう岸より 愛をこめて」て書いてあった(笑)





うちらは決してそんな関係ではなかったけれど、そのセリフが私はとても特別感があって嬉しかった。



何回かやり取りして、お暇ならお食事でも、と話がまとまりそうなある日に電話がなって。




彼はお空の人になってしまった。







今でも先生を思うと込み上げるものがある。


病棟では仕事上の付き合いだけ、しかもプライベートではほとんど話をしたことがなかったのに、自らを「ファンクラブ第一号」とうたい(笑)、そんな違う一面が文通からのやり取りで、いつの間にか一番近い先生になっていた。





こうやってたまにふと思い出すんよね。









あれから22年も経つんやなぁ。





今度帰ったら、またみんなと集まる時に、先生の手紙を持っていこう。